デジタルアーカイブ学会学会賞を受賞

2022年11月25日(金)に開催されたデジタルアーカイブ学会第7回研究大会において、個人として、デジタルアーカイブ学会第4回学会賞実践賞にお選びいただきました。また、コアコントリビュータとして開発を行っている「IIIF Curation Platform」が、第4回学会賞学術賞(基盤・システム)を受賞しました。

デジタルアーカイブ学会は、デジタルアーカイブに関わる研究と、産官学民の相互交流を促すことを通じて、デジタルアーカイブの発展に寄与することを目的とする学術研究団体です(同学会規約第2条)。デジタルアーカイブ学会「学会賞」は、デジタルアーカイブの振興および同学会の活動に寄与した対象者に授与される賞であり、学会賞の区分の一つである「実践賞」は、デジタルアーカイブの構築・運用・普及・継続発展等に優れた貢献をした個人・機関・団体を対象として、同じく「学術賞(基盤・システム)」は、学術の進歩に大きく寄与する研究基盤やシステム等の作成者を対象として授与されます(同学会学会賞規程第2条、第3条)。

実践賞

授賞理由

「氏はデジタルアーカイブの利活用に資するフリーソフトウェアの開発に長年携わってきた。中でもIIIF分野でのソフトウェア開発への貢献は顕著である。IIIF画像を対象に深層学習で変体仮名を認識するWeb APIや、IIIF対応ビューワ選択を補助するブラウザ拡張機能Open in IIIF Viewerを開発、さらにIIIF対応ビューワとして国際的に利用されるIIIF Curation Viewerや、動画アノテーションビューワの開発などでも中心的に活躍した。

ソフトウェア開発とユーザエクスペリエンスデザインをいずれも高いレベルで実現した点は、今後のデジタルアーカイブ構築の模範となるものであり、その貢献を高く評価し、実践賞を授与する。」(第4回学会賞授賞理由より)

受賞のことば

このたびは実践賞にご選出いただき、誠にありがとうございます。価値あるプロジェクトやテーマに触れさせていただいたおかげで、微力ながら世に貢献できたことを嬉しく思います。重ねて感謝申し上げます。

これまでデジタルアーカイブ好きの利用者として、IIIF分野以外も含め、「縦書きビューワ」や各種デジタルアーカイブ向けユーザスクリプトなど、デジタルアーカイブ利用者の要望を実現するフリーソフトウェア等を開発、公開してきました。IIIFの普及は、そのオープン性と平易性により、デジタルアーカイブの利活用において「自分が欲しいものを自分で作成できること」を容易にしています。これからもIIIF分野をはじめとして、利用者視点と引き算のデザインで開発を行い、みなさまのお役に立つことができましたら幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

関連リンク

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学術賞(基盤・システム)

授賞理由(IIIF Curation Platform)

「ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センターが構築した『IIIF Curation Platform』は、IIIFを活用したデジタルアーカイブの包括的なキュレーションツールとして、すでに新たなデジタルアーカイブの構築にも利用され、デジタルアーカイブの魅力を発信している。拡張可能な設計や、オープンソースであることもあいまって、先進的なツールの一つとして国際的にも利用が広がりつつある。

デジタルアーカイブの基盤・システムの代表例として特段に優れていると評価し、学術賞(基盤・システム)を授与する。」(第4回学会賞授賞理由より)